少林寺拳法の縛法(ばくほう)

少林寺拳法に、「縛法」という技があります。

少林寺拳法の技には、剛法と柔法がありまして、剛法というのは突いたり蹴ったりする技であり、柔法というのは、投げ技や関節技なんですが、柔法はだいたい、敵を投げて、床に押さえつけて、関節を極めてギャーッといわせたあと、蹴っ飛ばしたりしてとどめを刺すという構成になっております。

縛法というのは、さらにそのあと、息も絶え絶えになっている相手を、帯で縛り上げて拘束してしまうという、念の入った技であります。逮捕術ともいえますね。いわば、手錠の代用です。

日本の古武術にも捕縄術というのがあって、古の時代には多くの種類の複雑な縛り方があったようですが、少林寺拳法のは簡単です。

私が少林寺拳法を習っていた頃(卍のマークだった頃)、縛法は練習のカリキュラムの中では、わりとおまけみたいな扱いで、参考程度にさらっと習う、というかんじでしたが、私はこれが好きで、嫌がるお友達や後輩を練習台に、繰り返し試してみたものでした。(念のために書いておきますが、女子にはしなかったです。)

縛法の手順

まずは、関節技で相手を床に組み伏せます。練習では、送小手という技を使って、うつ伏せにさせますけど、うつ伏せにできるのなら、逆小手でも何でもいいと思います。

うつ伏せになった相手に、馬乗りになりまして、自分の両膝で、相手の肘と手首を挟み込んで、身動きを取れなくします。

ジタバタするようなら、もうちょっと手首や肩の関節に悲鳴をあげさせればおとなしくなります。(危険なので、後頭部に一発食らわせたりはしないように。)

相手の動きが止まりましたら、おもむろに自分の帯を解きまして、帯の端っこを、敵の右手か左手の手首に巻いて縛ります。帯は厚みがあって解けにくいので、ふつうに一重に巻くだけでいいです。

もし、町中の路上で痴漢を捕まえたりして、そのへんにある荷造りロープなどで縛り上げる場合は、巻き結びなど、ほどけにくい巻き方が良いでしょう。

>>巻き結び

モタモタしていると、敵も抵抗しますので、スピーディーに縛り上げるのが肝心です。

片手を縛ったら、つぎに帯(ロープ)を、敵の首にかけます。顔と地面の隙間に帯を通しにくいようであれば、髪の毛でも引っ張って、顔をあげさせると良いですね。

まあ、練習なので、「ちょいと、顔を上げなされ。」と声をかけるようにします。

帯を首にかけたら、ギュッと引っ張って、帯を巻いた手首を、頭の方に引っ張り上げるようにします。エビ反りになるくらい縛り上げると良いでしょう。

そして、空いている方の手首も、なるべく頭の方に締め上げて、帯のもう一端を巻き付けます。緩みのないように、キツく縛り上げるのが良いです。こうすると、もがくと首が苦しくなるし、首を楽にするためには、腕に抵抗力をかけないようにしないといけませんので、逃げられないというわけです。

帯の長さにまだ余裕があれば、右手と左手もジョイントさせておけば、より確実ですね。

私が習ったのはここまでですけど、このあと、痴漢犯をひっ立たせて、連行するような場合は、歩いているうちに緩まないように、気をつけていましょう。

車に放り込んで警察に護送する場合は、足も縛っておけば良いと思います。

以上、縛法のやりかたでした。

逮捕権のある職業

なお、一般人が犯人を逮捕できるのは現行犯だけです。

現行犯でない者を逮捕することができるのは、警察官や労働基準監督官、船舶の船長など、職権として逮捕権のある人に限られます。しかも裁判所が発付する逮捕状が必要です。

「あいつが、この前の痴漢男よ!」などと、ちょっと気のある女の子に言われて、正義感と嫉妬心をむき出して、容疑者を捕まえたら、逆に犯罪になりかねませんので、ご注意ください。

また、縛りの技術は、自我の欲望を満たすためとかには、けっして悪用しないようにしてください。人権問題になります。

まあ、双方合意のもとで楽しみたいという方は、勝手にどうぞ…。

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